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エイプリルフールズの映画レビュー・あらすじ

登場人物全員が嘘つき?その嘘が全て明らかになった時に待ち受けるまさかの結末とは…!

今回エイプリルフールズを見たのでそのレビューをしたいと思います!

あらすじ

主演の戸田恵梨香が演じるのは対人恐怖症を持つ清掃員の新田あゆみ。

新田は、松坂桃李が演じる天才外科医の牧野に恋をしますが、牧野は女誑しのセックス依存症。新田と牧野は一夜限りの関係を結びますが、それにより新田は妊娠をしてしまいます。

新田は妊娠したことを牧野に電話で伝え、結婚をして欲しいと迫しますが、その日がエイプリルフールということもあり、牧野は新田を相手にせずに電話を切ってしまいます。

電話口の牧野とタクシー運転手との会話を頼りに、新田は牧野が別の女とデートをしているレストランに乗り込み、なんと銃を片手に立てこもってしまいます。

そのレストランでの立てこもりと並行して、その他のストーリーも動き出します。小学生を誘拐し、なぜかラーメン屋さんや遊園地に連れまわすヤクザ。

友人に自分はゲイだとカミングアウトをする男子大学生。リムジンを貸切り、ハンバーガー屋さんでランチを楽しむ皇室の夫婦。そして自分を宇宙人だと思い込み、宇宙への帰還を目指すいじめられっ子。

詐欺の疑いで逮捕されてしまった老婆と、その老婆を取り調べする刑事。物語が進んで行く中で次々と明らかになっていく登場人物たちの嘘とそれぞれのストーリーの不思議な繋がり。

全ての嘘が明らかになった時に迎えるまさかの結末に、心が温かくなるのは間違いないでしょう。

 

感想

キーとなる登場人物が多く、またいくつかのストーリーが同時並行的に進んでいく映画は展開についていくのが難しくなってしまうことが多いですが、登場人物それぞれに個性があり、またそれぞれのストーリーにクスッと笑える要素が盛り込まれているため飽きることなく観ることができます。

また題名通り「エイプリフール」の嘘が題材の映画ともあり、劇中では様々な嘘がストーリーと共に明らかになっていきます。

「誰のどの発言が嘘なのか?」

「この嘘の真実は何なのか?」

「この嘘には誰が気づいているのか?」

「真実は一体何なのか?」

ということを推察しながら観ることができるのも、この映画の楽しみ方かもしれません。

 

嘘には沢山の種類の嘘があります。

自分の欲望のためにつく嘘もあれば、自分の非を隠すためにつく嘘もあります。しかし時には、相手のことを思いやってつく嘘もあります。この映画は嘘が持つ怖さも優しさも、パワーも私たちに教えてくれます。

ストーリー内で扱っているテーマは「妊娠の不認知」「離婚による親と子の離別」「終末期の過ごし方」「いじめ」「同性愛」と非常に社会的にも重いテーマです。

ただ重いテーマにも関わらずにコメディーな要素も散りばめられているために、楽しく観ることができました。

 

おすすめのポイント

主役の松坂桃李演じる天才外科医「牧野亘」の劇中での変化が大きな見どころです。

映画の冒頭では戸田恵梨香演じる新田からの「妊娠告白」の電話を、別の女性と過ごすホテルで受けます。新田の電話を無理やり切ると、次の女性とのデートに向かうために女性からお金を受け取ります。

その後レストランで菜々緒演じるCAの女性と食事をするのですが、食事が終わるのを待ちきれずにホテルへ向かおうとします。

新田が銃を持ってレストランに突入してきた際には自分だけが倉庫へと隠れて、新田の呼びかけにも全く応じません。

女誑しでセックス依存症で、更には危険に晒されている他のレストラン客のことを全く気にせずに自分だけ安全な場所にいようとする、クズ中のクズとして牧野は描かれています。

しかし自分の胸中を必死に訴える新田の姿、それを見て叱咤激励をする他のレストラン客により、牧野の心と行動にも徐々に変化が見られます。

また牧野がこのような人間になってしまった辛い過去や経験についても、涙ながらに語ります。前半の目も当てられないようなダメ人間だった牧野のことを、映画の後半では不思議と応援したくなっています。そんな牧野の変化に是非注目をして、この映画を観て頂きたいです。

 

おわりに

松坂桃李、戸田恵梨香、ユースケ・サンタマリア・菜々緒・高嶋政伸・窪田正孝・里見浩太朗など錚々たる俳優陣が出演しています。

その個性的な俳優陣がリーガルハイを手がけた古沢良太のオリジナル脚本で作られた物語を進めます。

登場人物の多くは、何かしらの悩みや問題を抱えています。虚言癖、セックス依存症、同性愛、妻の重い病気。

その悩みや問題を抱えている人間性をきちんと表現しつつ、コメディーの要素も自然に取り入れられているのはさすが実力派の俳優たちが集ったという感じはします。

特に私が圧巻だと感じたのは戸田恵梨香の演技です。恋する妊婦で立てこもりの実行犯という、とても濃いキャラクターでしたが、対人恐怖症という設定上、喜怒哀楽をあまり表現ができません。

しかし話す言葉の強弱や目線、動作の緩急や行動できちんと細かい喜怒哀楽を視聴者に伝えられる技術はさすがだと思いました。若手の実力派とベテランの安定の演技が混ざり合って、非常に安心して観られる俳優陣でした。

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