「マディソン郡の橋」を見たので映画レビューしたいと思います。
あらすじ
マイケルとキャロリン兄妹は、亡くなった母の日記から、母・フランチェスカの日記を発見します。
そして、その中にフランチェスカの4日間の恋愛について書かれていました。
それは、許されない恋でした。
フランチェスカは夫や子供がいる身で、ロバートというカメラマンと恋愛に陥っていたのです。
それは、秋の収穫祭の時。
夫の子供たちは4日間の外出をしました。
留守番をする事になったフランチェスカは、久しぶりに一人で過ごす自由を楽しみます。
そんな中、ローズマン橋を撮影に来たロバートと出会います。
小さな田舎で暮らすフランチェスカにとって、世界中を飛び回るロバートに興味を抱きます。
そして、フランチェスカはロバートを男性として意識するようになるのです。
そして、ロバートもまた、フランチェスカを女性として見ていました。
急速に惹かれていく二人。
そして、二人は恋に落ちました。
ロバートは、一緒に行こうと誘います。
ですが、フランチェスカは迷います。
そして、ロバートとは一緒に行かないと決めました。
帰ってきた夫の車に乗ったフランチェスカは、偶然、ロバートの車を見つけます。
そして、去っていくロバートの車を見つめながら、フランチェスカは涙を流すのでした。
どちらを選んでも、フランチェスカは後悔をしたのだと思います。
もしも、あの時、差しのべられたロバートの手を握り、夫も子供も捨ててフランチェスカが村を離れていたら、やはり後悔をしたでしょう。
短い間の恋だから、フランチェスカにとって、ロバートは忘れられない存在になったのかもしれません。
ロバートを諦めてからも、彼女の心にはロバートがずっといたのかもしれません。
夫や子供達へ申し訳ないという気持ちを抱きながら、それでも自分の気持ちを抑えられなかったフランチェスカの気持ちは、誰にも分からないのだと思います。
ただ、一つだけ分かるのは、フランチェスカが二人の男性を献身的に愛したという事でした。
夫のリチャードに対しても、彼女は献身的に尽くしました。
そして、別れてしまったロバートの事もです。
彼女の心は、いつもこの二人の男性への愛に揺れ動いていたのかもしれません。
フランチェスカは、妻であり、母であり、そして、一人の女性だという事を、子供たちも改めて知ったのだと思います。
本来なら許されない愛なのですが、こういう形の愛もあるんだという事を、感じました。
ロバートと過ごしている時のフランチェスカは、まるで少女のようでした。
映画の見所は?
見所は、やはりフランチェスカの変化です。
最初のシーンの頃は、フランチェスカは普通の主婦でした。
メイクもほとんどしない、お洒落もしない服装で、かなり疲れた印象でした。
ですが、ロバートと出会い、女性らしさを取り戻していくフランチェスカは、本当に綺麗でした。
なんだか、年齢までがどんどん若返っていくようで、いつのまにか彼女が既婚者だという事を忘れてしまいました。
フランチェスカが胸元が大胆に開いたドレスに身を包み、ロバートがその美しさに声を失った時に、その気持ちがよく分かりました。
普段の彼女からは、あまりにも想像が出来ませんでした。
二人がチークダンスを踊るシーンは、そのまま彼らの心境を表しているようでもありました。
彼女がどんどん綺麗になっていく姿が、この映画の最大の見せどころだと思います。
女性は、最初から主婦ではありませんし、主婦になったからといって、女性ではなくなった訳ではないのです。
そんな当たり前な事を、フランチェスカという一人の主婦を通して知る事が出来たのではないかと思います。
そして、夫婦のあり方についても、この映画のや見所だと思います。
リチャードのそっけなさと、ロバートのあまりにも違う態度が、フランチェスカを変えたのだと思います。
そういう心理描写もポイントです。
出演俳優について
なんといっても、驚くのはクリント・イーストウッドの若さです。
1930年生まれのクリント・イーストウッドがこの映画を撮った時、彼は60代だったのです。
でも、そんな風には全く見えませんでした。
とてもセクシーな、男の色気を滲ませていました。
若い時には、西部劇のドラマに出演し、ダーティハリーシリーズ等で人気を博しました。
普通なら、かなりの歳月の間に、その印象はかなり変わってしまう筈なのです。
ですが、クリント・イーストウッドの魅力は衰える事なく、更に輝きを増していました。
アクションシーンなどない、ラブロマンスで、これほどまでに魅力的に見える俳優は、早々いないと思います。
現在、80代後半という年齢のクリント・イーストウッドは、俳優業よりも監督業でメディアで見る事が多くなりましたが、その若さは健在です。
クリント・イーストウッドの俳優としての活躍を振り返った時に、このマディソン郡の橋は、必ず代表作になると思います。
まとめ
いかがでしたか?
とても面白い映画でしたので、ぜひ一度見てみてくださいね!